むし歯を放置するとどうなるの?全身に影響が出る細菌感染症にご注意
みなさん、こんにちは!金沢八景歯科クリニックです。
「歯医者さんに通う時間がない」あるいは「むし歯はあるけど痛くない」など、色々な理由からむし歯を長く放置されている方もいらっしゃるでしょう。
しかし残念ながらむし歯は自然に治ったり、進行が止まったりする疾患ではありません。
それどころか、むし歯は放置することによって重篤な症状を引き起こす恐れもあるため注意が必要です。
むし歯菌が首から下へ感染してしまうと、誤嚥性肺炎や菌血症などを引き起こします。
今回は、むし歯を放置するとどうなるのか、身体への影響をご紹介します。
歯が残せなくなり義歯が必要になる
むし歯を放置すると、歯が残せなくなり、空いたスペースに義歯が必要になります。
むし歯になっても歯ぐきより上の歯質がある程度残っていれば、治療によってその歯を温存できます。
しかし、歯ぐきより下の歯質までむし歯が進行すると、のちに入れる被せ物が維持しきれなくなるため、通常は『抜歯』が適用されるのが一般的です。抜歯後は、歯並びやかみ合わせに影響が出るため入れ歯やインプラントなどの義歯が必要です。
また、仮に歯を残せたとしても治療に長い期間を要してしまうため、むし歯はやはり早い段階で治療するほうが得策でしょう。
むし歯を放置するとあごの骨や鼻への感染も
歯の神経や血管は、歯の根っこの中にある『根管(こんかん)』という管を通って全身の神経・血管につながっています。
つまり、むし歯が奥深くまで進行すると、外部からの細菌が根管を伝わってあごの骨や全身に運ばれてしまう恐れがあるわけです。
例えば、あごの骨にむし歯菌やその他の細菌が感染すると『顎骨炎(がっこつえん)』という重篤な病気を引き起こします。
顎骨炎は症状が重くなると高熱や倦怠感など全身症状があらわれ、場合によっては治療に入院しなければなりません。
また、上の奥歯の場合は『副鼻腔(ふくびくう)』という鼻の空洞に感染が広がり、『副鼻腔炎』を発症するケースもみられます。鼻の奥に膿が溜まる原因は鼻にあると思っていたら、実はむし歯が原因だったということもありますので、適切にむし歯を治療していきましょう。
口腔内の細菌感染症から重篤な病気になる
むし歯が進行し、むし歯を起こす口腔内細菌の感染が全身に広がることで、さまざまな病気を引き起こします。
口腔内細菌が原因の一つになる疾患(一例)
- 誤嚥性肺炎
- 歯性菌血症
- 動脈硬化症
- 心内膜炎、など
いずれも、重篤化することにより死亡する可能性もある病気です。このように「たかがむし歯」と侮っていると、思わぬトラブルに見舞われる恐れがあるので注意しましょう。
また、妊婦さんがむし歯になった場合は、胎児や出産にも影響が出ます。高齢者だけが注意すればいいというものではなく、年代を問わずむし歯の治療は必要です。
まとめ
近年はむし歯治療も格段に進歩し、以前だったら残せないような歯も治療によって温存できるようになっています。
とはいえ、むし歯を放置するメリットは0に等しく、むし歯は治療が早ければ早いほどそのメリットは大きいといえます。
長くむし歯を放置している方、また治療が途中のままになっている方は、できるだけ早めに歯科を受診するようにしましょう。
むし歯や歯周病の症状がないと思っている方でも、一年に数回は定期検診を受けることが大切です。
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